新年

特に深い理由はないが、ブログでも始めてみることにした。
今年は風邪から始まった。年末の30日から、どうも寒気がするな、風邪だろうか、と思っていたが、回復の兆しが見えた今から思うと、どうやらインフルエンザだったような気がする。特に昨日と一昨日が体調が悪かった。しかし一昨日は麻雀の約束があり、震える体に鞭を打って参戦。勝つには勝ったが、ちょっと気をゆるめると意識が朦朧としてくるし、切る牌は間違えるしで大変だった。実は昨日も別の団体と麻雀の約束があったのだが、流石に行く気力がなかった。一日家で寝ておりました。
しかし風邪にもポジティブな側面があって、私の場合、一番のそれは支出が抑えられたことである。食欲がないから飯はあまり食わずに済むし、酒も飲みたくないから(少しは飲んだが)こちら方面の出費も抑えることが出来た。
さて、あまったお金で(別にあまったわけではないが)本かCDでも買おうかな。そういえばCD買わなくなったなぁ。年間10枚も買ってないんじゃないだろうか。去年は新譜といえるので聴いたのは『HOSE II』、『ふいご』、ヴァンデルヴァイザー各種、キャプテンの歌もの、それくらいかなぁ。ベスト10を作るとなると、自動的にこれらが入る仕組みである(どれもが素晴らしい作品である事は間違いないが)。そのほかの音楽界についてはほとんどまったく知りえません。
ライブもあまり観にいってないが、印象に残っているのはHOSEとMUMUのジョイント、それと木下和重セグメンツ・プロジェクトかな。
映画は劇場で観たのは『パーク・アンド・ラブ・ホテル』一本だけ。観にいったのは、この映画の撮影監督が麻雀/飲み仲間であるいう経緯による。まぁ普通に面白かったが、どうも器用貧乏というか、そつがないというか、現代モノでした。
文化から遠ざかってます。その代わりに、森や林にキノコを観察しに行ったり、池の亀を観察しに行ったり、こういう(別の文化)活動が増えてます。費用がほとんどかからないですからね。
本はそれなりに読んだ気がする。CD聴いたり、映画(DVD)観たりするより本読んでるほうが性に合ってるでしょうね。図書館で借りれば費用もかからないし。
しかし、新刊といえるものは(音楽書をのぞき)ほとんど読んでいない。音楽モノで一番面白かったのは『音楽療法を考える』(若尾裕)かな。去年の夏に京都で若尾さん本人からいただきました。会って話をしている時はそんなに考え方に共通するものがあるとは思えなかったんですが、この本に書かれていることにはどうも納得してしまう。惜しいのはタイトルですね。この本はもっと広い領域をカバーしてます。
初めて読んだファイヤアーベントの『知とは何か』も面白かったなぁ。風邪で寝込んでたときにまた読み返してみたが、内容もさることながら対話の形をとったスタイルがいい。こういう傑出した人物というのはこれから少なくなるでしょうね。人をくったような物言い、物凄く挑発的でしかも熱い。敵が多いのもうなずける。こんな問題ある人物が哲学教授やってたんだからなぁ〜。しかし、そういうところだけではなく、私がファイヤアーベントに深さを感じてしまうのは次のような独白があるからである。

  「どうして、運命の歳月にそうした人々に去来した感覚を、何一つ隠さずに、報告しないんだ、熱中もあったろう。みんながその時何を感じ、自分たちの態度がどのように年月を経て変わっていったか、どうしてそれを正確に伝えようとしないのか。告白、包み隠しのない報告、甘ったるい感傷をすて、虚飾の自己合理化をすてたもの。イングマール・ベルイマンは、その自伝の中で、ドイツへの留学時代に、どうしてヒトラーを愛し始めたかを書いている。ただ、説明ぬきに、ひたすら事実を述べている。同じことがどうして僕らにできないのか」 p285 村上陽一郎