言葉と旋律

 

「言葉と旋律」という講座をやります。

ある言葉からどのようなメロディーが導かれるのか?

歌詞に対して自由にメロディをつけることも、もちろん出来る。むしろ作り手の多くは、そうやって自由に歌――言葉をメロディーに乗せるもの――を自分は作っている、そして聴き手の多くも歌はそのように作られるものだ、と思っているのかもしれない。

人が日常で発する言葉には抑揚があり、声を大きくしたり、小さくしたりする他、音(ピッチ)の高低を伴うものもある。それらの音は自然発生的に生まれるもので、特に音高については、この音を高く、次の音を低くしよう、とはっきり意識して発音している人はまずいないだろう。音声言語としての言葉がイントネーションを決定していることが多いのである。

こうした「歌以前」と思われている声の表現の中には、私が「わらべうた」として考えているものも多い。和声進行もなく、使われる音高も少ないが(ふたつやみっつのものもある)、立派な歌である。西洋音楽史の視点では、音楽はモノフォニー(単旋律)から始まり、ポリフォニー(多声音楽)、ホモフォニー(和声音楽:単純に説明すると、現在の多くのポピュラー音楽のように、主旋律を他の声部が和声的に伴奏して進行する音楽)と進化したことになっている(その後は12音音楽、電子音楽、ムジーク・コンクレート、偶然性の音楽等が登場するが、今回の講座とはあまり関係ないので、説明は割愛する)。

上記のような進化論に従えば、わらべうたを含む単旋律音楽はもっとも単純で原始的な音楽ということになる。そうかもしれない。そうでないかもしれない。それはまあいい。しかし、私にとって単旋律音楽は、もっとも興味深い音楽の最前衛に位置している。

今回の講座は「わらべうた」から始める。サンプルは私がここ十年ほどの間、自分の生活空間の様々な場所で採集したきた歌から言葉と音の関係の考察を始めたい。ここには純粋な意味ではわらべうたとは言えない、物売りの口上等も含まれる。それから、私が小学生の時に、自分や同級生が作ったわらべうたも紹介する。 そこから先は何もきめていない。こういう講座を体系的に進めることは私にはできない。脱線や雑談も頻発するだろうし、着地点も不明な、いきあたりばったりの企画である。それでも良い、とおっしゃる猛者の方の参加をお待ちしています。

 

 

 

 

 

①講座名:杉本拓「言葉と旋律」

 

②第一回開催日時;2023/11/3(金・祝日)13:00-16:00(開場12:30)

 

③会場;台東区根岸5-5-11 アトリエ根岸

 

④受講料;1000円

 

*①最終的に何回になるか未定ですが、複数回開催予定の講座です。

 

*②12月以降は原則、毎月第一日曜日に開催予定

 

*③最寄り駅 JR鶯谷駅、東京メトロ三ノ輪駅からそれぞれ徒歩10分で会場は路地奥にあります。当日、路地入口に看板を出しておきますが、わからなかったらご案内しますのでお電話ください。但し13:00以降は電話対応不可です。よろしくお願いいたします。

 

*④恐れ入りますが、釣銭が生じないようにお願いいたします。

 

その他、

 

*講座開始前と講座終了後、会場にて飲食可です。また会場敷地内のベンチ、雨天時は会場内ロビーにて喫煙可です。

 

*お問い合わせ;アトリエ根岸のTwitter(X)アカウント @AtelierNegishi または電話で08058806596(タカハタ)までお願いいたします。