ライブ月間

Nelson Goodman(ネルソン・グッドマン)の"Langueges of Art"を(予告どおり)読んでます。"Ways of Worldmaking (世界制作の方法)"の前の著作(かな?)。非常に興味深いです。この本でグッドマンは、様々な芸術のアレヤコレヤを、批評するではなくて、それらがどのように扱われるのか、ジャンルの違いを含む様々な表現形態について、また芸術の実際的な(科学に匹敵するような、むしろ一つの科学としての)側面について、つまり芸術とは何かについて考察している。グッドマンにケチ臭さは全く感じられない。広いところから芸術を捉えている。なのに、哲学や美学の専門家は別にして、何故グッドマンは日本ではそんなに読まれていないのか。ポスト・モダンの恣意性がなく、分析的に事を進めていくので、それが日本のアート業界には受け入れられないということか。音楽でも美術でもいいけど、批評家がグッドマンに言及しているのを読んだことはほとんどない。多少の専門知識が必要なこともあるだろうが、グッドマンが挙げている諸問題の大部分は我々門外漢が十分考える事ができるものだと思うんだけど。その点では、昨今の訳のわからない言葉でうめつくされた芸術批評よりはるかに本来の意味で批評的だと思う。言いたい事は多いが、とりあえず、批評家の先生方、グッドマンを読んでください。もちろん批評家以外の方も。『世界制作の方法』は文庫になってます(菅野盾樹 (翻訳) ちくま学芸文庫)。若い感性がこれを読んで得るものは、芸術についての考察に限っても、くだらない評論を読んで得るものの比ではないと思う。平易に書かれていることもいい。難しいことを難しく書く、なんていうのは何かを誤魔化しているんじゃないのかな。

今月はライブ月間で、三つ終えて、あと以下の三つが残っている。『天狗と狐』はたぶん手ぶらでいどみます。ソロの方は、初日、2日目、そしていつかやる(まだ未定の)3日目にいくにしたがって音量が下がっていく(またはギターの音がとらえにくくなる)予定です。この曲はCDも別に作ろうかと思ってます。リリースしてから後で意味を色んなやり方で捏造しよう、と考えているくらいなので、また例のごとく、各方面から非難の声が上がるかもしれませんが・・・。


天狗と狐(宇波拓 杉本拓 デュオ)
2009年4月24日(金)
19:30開場 20:00開演
2000円+ドリンク代
千駄ヶ谷 Loop-Line
http://loop-line.jp/
ギター・デュオから始まった“天狗と狐”のテクノ期(コンピュータとメトロノーム)と手拍子導入期(マンドリン、手拍子、その他)の代表的なライブをそれぞれ収めたCDをslubmusicからリリースします。発売記念コンサートです。当日の演奏はCDとはまた違ったものになるでしょう。

杉本拓ソロ2 days
作曲・演奏 杉本拓(guitar)
2009年4月28日(火)29日(水)
19:30開場 20:00開演
2000円+ドリンク代
千駄ヶ谷 Loop-Line
http://loop-line.jp/
環境音に極小の持続音をときおり混ぜる、それだけですが、これを2日にわたってやってみたいと思います。入場者には演奏曲のスコアをオマケとしてさしあげます。