徳ちゃん

徳ちゃんは一見真面目な好青年に見える。しかし彼を知るものにとっては、その「真面目さ」は何か変態的なものに写る(のではないか?)。彼は勉強家で、読書家で、楽器の練習もきちんとやっている。収入も安定しているし、まさに文句のつけられない好青年!しかし、彼と5分でも話をすれば、その幻想は破られるであろう。もし、話をすればだが。というのは、私は酒の席でよく徳ちゃんと一緒になるが、彼はたいてい何もしゃべらない。たまに音楽の話題とか世間話をすることもあるが、基本は無言である。ただだまって酒を飲んでいる。だが、しゃべっている時は--もちろん酔っ払っている時だが--、これが同じ人かと思うほど変貌する(まあ同じ人なんだけどね)。何をそんな上機嫌にしゃべっているかというと、それは世にも下品なエロネタである。私はそれを猥談とは呼びたくない。そんな上品なもんじゃない。だけど楽しそうなんだよなぁ。幸せ一杯という感じである。こういう徳ちゃんが苦手というのであれば、あとは黙っている徳ちゃんしかない。中間はないのである。しかし、これはあくまで酒の席でのことであるので、仕事の時とかその他いろいろの場面で、もっと違う側面を見せているのであろう。しかし、もう5年の付き合いの中で、私はふたつの両極端の徳ちゃんしか知らない。どちらの人格も彼の綺麗な音色のサックスに結びつかないんだよな〜。サックスで徳ちゃんみたいなことやっている人ってあまりいないでしょう。私は知りません。サイン・ウェーブのようなというか、e-bowで鳴らされるギターの低音弦のようなというか、とにかく端正で美しい。ただそれだけをやっているところが実にいい。



ループライン・スギモト・シリーズ vol.3
徳永将豪ファースト・ソロCD“alto saxophone”発売記念コンサート
2009年12月4日(金)
19:30開場 20:00開演
2000yen + drink order
出演:徳永将豪(アルト・サックス)
杉本拓(チェロ)
木下和重(ヴァイオリン)
千駄ヶ谷ループライン
http://loop-line.jp/
slubmusicよりリリースされる徳永将豪ファースト・ソロCD“alto saxophone”の発売記念コンサートを開催します。前半は徳永ソロで、サックスによる美しいサウンドを堪能していただいて、後半は杉本、木下を交えたトリオで何か即興か、作曲か、あるいは指示のある即興かは未定ですが、をやろうと思います。