反省 仙台さりとて

人にとってはどうでも良い話だが、これは書かずにはいられない。自分がいかにダメで注意力がないかを記しておきたいから。
シアトルで演奏した"guitar, viola, and two contrabasses"はなかなか良かったので、これをを東京でも演奏したいなと思い、先日譜面をチェックした。最初に見たのはコントラバスのパート。「えっ、ミスだらけじゃないの!?」。そんなに急いで書いたわけではないと思うのだが、なんてずさんな譜面なんだろうか。よく演奏してくれたな〜。しかし、ベース奏者から質問もなかったし、演奏中も音がおかしいと思わなかったので、ずっと自分のばかさ加減を知らなかったわけである。最初の音は問題なかった。開放弦(A線とD線)のダブルストップ。ところが次の音の記譜が怪しい。高音部譜表にF#のハーモニクスが書かれていて、「コントラバスは高音部表に移動したときは実音で記す」と手持ちの『楽器学入門』に書いてあるので、D線の第5倍音と解釈するのが妥当だが、何を考えていたのか、ト音記号の下に8と書いてある。D線の第五倍音のオクターブ下のF#のハーモニクスコントラバスでは演奏できません。次の音はオクターブ上のF#が書かれているが今度は8が書いてない。つまり前の音より2オクターブ上になっている。これはD線の第10倍音になるが、私は6倍音以上を想定していないで書いているはずだ。恐らく、最初のF#と次のF#は同じ音を考えていただろうと思われる。にも関わらず、どちらも書き方を間違えているのである(または統一されてない)。次の音は低音部のC#だが、私は開放弦とその倍音、または微分音だけで作曲した(つもりだった)ので、この音は登場してはいけない音である。ただし、C#はA線の第5倍音で作ることが出来る音ではある。私はこれを微分音として平均率のC#より14セント低く弾いてもらいたかったのではないだろうか。ここで私は作曲のもととなった図を見てみたところ、開放弦のコンビが移動していく様が書かれている。具体的にはと変化していく図であった。これは、多分、D、A、G、C、Eと転調(?)することを目論んでいたのだろう。以外は2種類以上の弦楽器が共通にもつ開放弦である。たぶん、私が開放弦にこだわったのはコレで、微分音は各開放弦の高次倍音を任意のオクターブにおいたものであろう(わずか2〜3ヶ月前の事ながら、当初のコンセプトを私は忘れかけている)。だったら、最初のコントラバスのF#ハーモニクスはD線上のものでなければならない。E線の第9倍音とD線の第5倍音は同じ高さのF#だが、チューニングが平均率でなされていれば、前者は平均率のそれと比べ4セント高く、後者は14セント低い。ただ、コントラバスのE線で第9倍音を弾くのはなかなか難しいと思うから、D線を使う事にはなるとは思う。こういうことが重なって偶然にうまくいったのだろう。しかし、狙いが明確なら、どの弦の何倍音を使うかは書かなくてはならない。これを書かなかったのは怠慢以外の何者でもない。もしきっちり書いていれば、自分で見直す時にも、当初の作曲の意図がより分かり、手直しが容易になる。幸いなことに、自分で弾くギターのパートにはちゃっかりとそれが書いてあり、なんとかなりそうではある。ざっと見た限り、ギターとヴィオラのパートには曖昧なところはなさそうだ。鉄は熱いうちに打て!毎回微妙なことわざを持ち出してしまうが、今のうちに譜面を直さないと、記憶が薄れすべてが曖昧なままになる予感がある。チューニングの問題も考えなければいけないだろうし。
たぶん誰もここまで読んでいないと思うが、この曲に興味があって演奏してみたいという人いないかしら?特にコントラバス奏者を探しています。初演の録音あります。レヴューもありました。→ http://www.spiralcage.com/blog/?p=3048


週末は仙台に行きます。


日時 2012年4月7日(土)
開場 19時00分 
開演 19時30分 

会場 パンゲア仙台 (宮城県仙台市青葉区一番町1-11-20 SUGA-DANビル4F)
http://www.pangaea-sendai.com/

出演 
さりとて 
杉本拓(ギター)
佳村萠(うた)
池田武史(パーカッション)

宇波拓

orz ~ 祈り
西瓜(舞踏)
へも(ベース)
橋本亮(エレクトロニクス)
須貝吏(アルトサックス)

料金 1500円(1ドリンク付き)

問い合わせ等 melodynote@hotmail.co.jp (須貝)