cchristian kobiのインタヴュー

Christian Kobiのインタビューの訳を載せます。といっても完全なやっつけ仕事です。ヨーロッパに行く前にやっておきたかったのだけど、それはかなわず。帰ってきてからもまったく出来なくて、結局数時間前から取り掛かってテキトウにでっち上げたという、夏休みの宿題のようになってしまいました。
元ネタは↓ こっちを読んでください。
http://www.tokafi.com/15questions/christian-kobi-interview-inner-dialogues/



<あなたはライブでの演奏や録音、またレーベル経営、フェスティヴァルのオーガナイズと様々な活動をしていますが、それらの違いをどのように考えていますか?>

ひとつひとつの活動はおたがいを補完するような関係にあります。もちろん、その中のひとつに時間とエネルギーをより使ってしまうことはあります。私は毎年、大概は四つか五つの、創造的で発展可能な面を持つことにして、それらを使って自分自身の仕事をします。その瞬間を認識し、また作ることは大変ですが…<重要なサックスのソロ・アルバムは様々なジャンルに広がってありますが、どれが個人的に重大な影響をもたらしたでしょうか?>

サックスのアルバムというのであれば、後期のコルトレーンのものになるでしょう(集団演奏でないもの)。あるいはエヴァン・パーカーのライブ録音か。さらにもうひとつがあるならば、それはジョン・ブッチャーのBell Trove Spoolsとなったでしょう。<ソロで演奏するということは、グループでの相互作用のある演奏と比較して、どのような意味を持つでしょうか?>

2010年のソロ活動は長期にわたる研究の締めくくりとしての必要性から生じたものです。あまたのサックスのアルバムの中に一席を持とうという意図はありませんでした。私はただ自分が成すべき何かをやっただけです。ソロで演奏するということ完全な自由を得ると同時にまったく何も得ないことでもあります。そのことに私は多くの時間を費やしています。日常生活においてもそうなのです。私は絶えずそれについて問わずにはいれません。私が伝えうるものの中で最高度の明確さの基準を要求するのですから。グループでは、他の要因が演奏に入り込んできます。私にとってそれは、身体性や個性を認識する能力がそこに含まれてしまうということです。
ここ数年は、楽器の潜在的な音(inner voice)に興味を持っています。あ例えば、楽器がほとんど意図鳴らされたとき、その音にももたらすものは何か?あるいは、“ppp”の範囲内で、如何に新たなダイナミクスを獲得することができるか?私はこの境界線にあるものを求め、それらを文字通り音にしてみたいのです。けれども私には、音楽的な素材をなるだけシンプルにしておきたいという目標があるのです。<あなたの新しいソロ・アルバム”Raw Lines” には息をのむような強度があります。アルバムで用いたテクニック及びあなた独自の演奏方法について述べてもらえますか?>

マイクを楽器にとても近づけて録音したことがその強度を生んだことは間違いないでしょう。私が興味を持っている顕微鏡的アプローチです。何かにちょっと浸った音を、澄んだ、聞こえる音にするのです。テナー・サックスとフィード・バックの曲では、私は楽器を演奏していません。代わりに、サックスの自然な共鳴とエネルギーに働きかけたのです。楽器を用いてはいますが、実際にはちゃんと演奏していないのです。それは、自分にとって新しく、また挑発的で取組むべき課題でした。<新しいアルバムと”CANTO” との顕著な違いはどのようなものでしょう?>

最初、曲に関しては三つか四つの漠然としたアイデアを持っていました。いくつかの曲は基本となる構造を保持していますが、大きく発展したものもあります。如何にひとつのセッションが実際におこなわれる事を強制するか、というのは興味深くないですか?後戻りはないのです。
コンセプトとしては、”CANTO” と ”Raw Lines” は異なったふたつのアルバムです。それら一緒にしているのは、私がある三部作を始め、そのアルバム達が私のいる場所をそれぞれに示すという意味をあたえられているからです。私が何によって、そしてどこに向かっているのかを。私にとって重要なことは、素材を扱う際の一貫性であり、両方のアルバムにはそのことが不可欠となっているのです。<三部作の最後の作品はどのようなものになると考えていますか?>

これまでのアルバムはそれぞれ個別のテクニックに的を絞ってきました。そのことによって音楽性が損なわれたとは思っていません。しかし、如何にラディカルであるかということに妥協せずに、もっと自由に演奏してみたいという気持ちもあります。特定の空間とともに一度仕事をしてみたいし、あるいはそれは、あらかじめ決められた環境でもいい。春に2週間バルト海に行くので、フィールド録音をするつもりです。楽しみです。

By Tobias Fischer