新譜

新譜を出しました。自社製品です。


quartet / octet
杉本拓
slubmusic tengu 5


クラウス・フィリップ、サイン・トーン(2)
石川高、笙(2)
佳村萠、声(2)
木下和重、ヴァイオリン (1)
ラドゥ・マルファッティ、トロンボーン(2)
大蔵雅彦クラリネット(2)
杉本拓、ギター (1、2)
宇波拓、サイン・トーン (1、2)
ニコス・ヴェリオティス、チェロ(1、2)


録音:キッド・アイラック・アート・ホール 2013年10月8日(1)& 9日(2)
録音 &マスタリング:宇波拓



内容について書こうと思いますが、どう書いて良いやら。
まず凄いのは、宇波拓先生によるマスタリング。もとはライブ録音なのだが、会場のノイズが多くて、これを消してもらった。小さい音の演奏の録音はどうしても環境音を拾ってしまって、音楽として聴くと気になる音が混入してくる確率が高くなる。今回の場合それらはほぼ消えました。
もっと静かな環境で録れれば良いのですが、まあそういう予算はいつもありません。これは演奏にも言えて、リハーサルを重ねることが出来れば、音楽がさらに良くなる確率が高まる、そう思いますよ。ただ、予算がない。録音物をリリースしても、費用を回収するほど売れるとはとても思えない。その日に集まって、簡単なリハをして、本番。録音したものが良ければ、じゃあリリースするか、となるわけです。それ以前に、その日のリハーサルだけでなんとか形になるような音楽ばかりを作曲してしまう、という問題もある。しかし、そこには良い面もある。少ないリハーサルだけで十分、いやそれすら必要ない、という作品もなければいけない。
結局、音楽が良ければそれで良いのではないか。即興は基本的にはリハーサルを必要としてないではないですか。
しかし、じっくりと時間をかけて練習するという曲もやりたいことは確かである。そうすると、やっぱり自分ひとりでやるしかないかな…
でも、今回のCDは演奏も音楽も良いと思う。何故なら、良いと思ったものを結果的にCDとしてリリースしているから。それは冗談として、簡単ではない曲なのに、みんな素晴らしい演奏をしてくれた。私は満足しています。
ついでに言うと、音も決して少なくないですよ。そういうのは(少ない音のは)もうやめた。音が少なくないばかりか、そこには旋律も和声もある。微分音もたくさんあるが、それは音律を形成するものなので、現代音楽的というか、そういう響とはまったく違うものになっていると思う。今までの私の作品にも似たものはない気がする。ただ、ちょっとキレイ過ぎるようにも感じるので、この路線を続けるにしても、考えることは多い。
作曲に関してさらに付け加えると、一曲目と二曲目は、微分音を使っていても、まったく別の方法論に基づいていて、私は一曲目のアイデアのほうがバカらしくて好きかもしれない。それが何かは、とても長くなるのでーーあとパクられたくないのでーー、今は書きません。


コンサートがあります。


杉本 拓 Solo Live!
日 時:2月1日(土)開場 17:30 開演 18:00
料 金:1,500円+ドリンク代(700円〜)
会 場:吉祥寺Sound Cafe dzumi
     武蔵野市御殿山1-2-3 キヨノビル7F