「杉本拓 J.J. Caleを語る」@高円寺 円盤
2011年6月30日(木)
開場 19:00〜 / チャージ 1,500円(1D込み)
http://enban.web.fc2.com/
今度いつ書けるか分からないので、今書いておきます。
私の創作に多大な影響を与えた(笑)ロック・ミュージシャン、J.J. Caleについて語ります。
非常に好きでもう30年くらい聴き続けていますが、別にライブで観たいとかはあまりありません(来日すれば行くかもしれませんが)。録音物が面白いんです。それを部分的にかけながら、適当にコメントしようと思ってます。
もちろん、ギターはとても素晴らしい。その演奏には、はっきりと影響を受けていると思う。しかし技術的に凄いと思わせるようなものはほとんどない。何年か前にギターマガジンで J.J. Caleの特集をしていたので立ち読みすると、彼のギター・プレイについて「アマチュアに毛の生えた程度」と書いてあった。冗談言っちゃいけませんよ。ああいうギターは弾こうと思ったって簡単に弾けるもんではないですよ。というより、誰も弾こうと思わないでしょうね。J.J. Caleを聴いてギターをはじめる人は今も昔もほとんどいないと思う。恐ろしく地味で、まったくかっこ良くないから。しかし、ディテールを聴いていくと、これが恐ろしく変態的なんだよなぁ〜。普通に聞き流していると、あまり変には聞こえないかも知れない。あからさまな変態ギタリストととはここが違う。トリッキーなことは一切やらないんだけど、音色、強弱、タイム感覚、フレーズの組み立て方が微妙におかしい。落としどころが変で、笑いを誘発するほどである。適当に指を動かしたらこうなっちゃった、というのではない(部分的にはそれもあるだろうが)、考えられた演奏なのである。
しかし、J.J. Caleの変態性というのはあまり語られてこなかった。ギターも変だけど、録音物のミックスも普通じゃない。ああいう箱庭みたいな世界ってロックにはほとんどない。何回聴いても発見がある。落語のようなところもあるかもしれない。J.J. Caleの音楽の本質は”レイド・バック”とか”アメリカン・ロック”とかではとてもくくれない。
しかしながら、こういう音楽は”ただそれだけの”音楽なので、まったくピンとこない人もいるとは思いますが、はまる人ははまるんじゃないかな。