観客数の問題 最終回(たぶん)

この前のソロのコンサートもお客さん2人でした。しかし、人間のなれというのは恐ろしいもので、もうそれが当たり前の状況として受け入れられるようになった。冷静に考えてみれば、こういうわけの分からない、しかも退屈な音楽に人が集まるわけないだろう、ということがやっと分かりかけてきました。ひとりでもふたりでも来ていただけるだけでありがたいと思わなければいけない。まあ場合によっては15人とか20人とか来ることもあるでしょう。ひとりかふたり、ということもこれからは頻繁にあるでしょうね。それでいいですよ。それが基本です。“そして誰もいなくなった”というのにも近い将来に遭遇するような予感がある。だが、それがどうした。全然オーケーです。来るならきやがれ(実際は誰も来ないということなんだが)。そうなった場合、あとの判断は委ねます。続けられるのか、そうでないのか。こちらはやりたいことをただやるしかない(それと宣伝をきちんとして情報をしかるべきところに載せること)。最近は本当にお客さんが少なくなってきましたが、惨めな気持ちは全然ない。むしろ楽しくなってきたのは私がひねくれているからだろうか?!もちろん来てくれるのはとてもうれしい!そりゃ多い方がいいですから、正直言って。しかしそれを期待するのはもうやめた。音楽(や芸術)の価値と言うのは、売れるか売れないかで決まるものではなく、(たぶん)質が高いか低いかでもない。では何なのかというと、それは分かりません。ただ価値というのは私個人が決めるものではないので、社会的に、例えば様々な音楽を楽しめてそれらを状況に合わせて選択する、そういうのが価値であるとされているなら、それはそうなんだからどうしようもない。ある程度は私もその波に乗っているといえる。しかしその中に幸福はないような気がする。人類の幸福ではなく私個人の幸福は。しかし、私が現代の潮流に幸福を見出せないというもの社会的な反応ではあるわけだ。そういう意味で、あまり適切な比喩ではないかもしれないが、私のやっていることというのは酔っ払いのボヤキに似ている。「今の政治はだめだ」とか「国民をばかにしてるのか」みたいなことをいくらぼやいたところで世の中は変わらない。しかし、こういったオッサン(に限りませんが)の静かな叫びがなくなったら一体どうなるのか?後退戦をいかに戦うかが重要なんじゃないかな。


↓があります!




アキビンオオケストラ / 天狗と狐

アキビンオオケストラ
江崎將史 森山ふとし 西川文章 鈴木勝 森雄大 みやけをしんいち 井上智士 加藤吉樹 たなかとしゆき 宮本博史 矢田伊織 川口貴大 寺尾孝太(倫敦休) 桂悠介 山崎伸也 坪内敦 高橋美佳 ※この中の誰かが出演いたします

天狗と狐
杉本拓 宇波拓

2009年8月30日(日)
open 19:30 start 20:00
2500円 + drink
(8月28日との通し券:3500円 + drink)
千駄ヶ谷 Loop-Line
http://loop-line.jp/