captain and me

まずは宣伝から。スギモト・シリーズとしましたが、企画内容に一貫性はありません。ただ私が企画するコンサートのシリーズというだけの意味です。2〜3週間に一回くらいやろうと思っているのですが、果たして集客はだいじょうぶなんだろうか?!平均6人とか無理かなぁ。第一回は秋山徹次大尉を迎えておこないます。内容は、あえて詳しくは書きませんが、少しロック的なものをとりいれたものをやります(あくまで少しです)。


ループライン・スギモト・シリーズ vol.1
2009年10月23日(金)
19:30開場 20:00開演
2000yen + drink order
杉本拓(ギター)
秋山徹次(ギター)
作曲:杉本拓
千駄ヶ谷ループライン
http://loop-line.jp/


キャプテン(秋山徹次)との出会いは今をさかのぼること21年前、1988年(多分、春)のことだった。当時私はコンビニエンス・ストアで夜勤をしていたのだが、このコンビニはチェーンの有名店ではなかったのであまり小うるさい規則はなかった。音楽なんかも好きなものをかけて良いことになっていたので、私は調子に乗ってかなり変なもの—当時好きだった音楽—を店内に流していた。キャプテン・ビーフハートとかサン・ラとか、パティ・ウォーターズを流したこともある。あと、ノイズとかフリー・ジャズ、なんかもよくかけていた。自分のやっていたバンドのテープをかけていたら、それに興味を持ったお客さんがいてライブのチケットが売れたこともある。ある日、キャプテン(と後々命名される人)が店にやってきた。店内のBGM(もちろん私のセレクション)に反応して、「これはnicoですか?」と私に訊いてきたのが最初の出会いである。しかし、それ以前から私はキャプテンの存在は街で見かけて知っていて、そのいでたち(黒いレザージャケットとスリムのジーパン)から、きっとこの人物はロックな人に違いないと思っていた。それも普通ではない—私が好きそうな—ロックと関係がありそうな気がしたのであった。その予想は見事に当たったわけだが、それを知るのはもう少し先になる。これも後で知ることになるのだが、キャプテンの実家はそのコンビニから30秒ほどのところにあったのである。
次に会ったのはその約一年後で高円寺だった。前にバンドを一緒にやっていた仲間に紹介されて、それから居酒屋で飲んだ(あるいは私が居酒屋で飲んでいたところに彼らがやってきたのかもしれない)。この時に何を話したかは全く憶えてない。ああ、やっぱりこの人もアンダーグラウンドなことをやっているんだな〜、という感想は持ったはずである。
この後も何回か会ったはずであるが、どういう状況で会ったのか、どんな話をしたのかがまるでおもいだせない。気がつくと、キャプテンは私の働くコンビニの常連になっていた。これが1990年の夏。登場するのは夜中の3時頃で帰還は6時頃だった。始めの頃は週に一度程度の襲撃だったが、それがほぼ毎日になってきた。私は週に3〜4回ほど夜勤をしていたが、キャプテンは私のスケジュールを把握していたので、私の勤務中のある時間帯はだいたい店にいた。キャプテンのことを店員だと思ったお客さんもいたんじゃなかろうか?コレが1年半くらい続いたんじゃないかな。まさに青春である。コンビニはカフェの機能も果たしていたのであった。夜中は暇であまり仕事もなく、色々話も議論もあったと思うが、これまた内容はほとんど覚えてない。キャプテンが独り言のようにつぶやき、私がうなずく、こういうパターンが多かったはずである。キャプテンはまた色々面白い音源を持ってきてくれた。その頃、我々の間では「現代音楽」がブームで(私はチェロ、キャップはヴィオラを入手していたという事情もある)、私はシェルシとかデュミトレスクをクセナキスなんかをよく聴いていた。キャプテンはアメリカの実験音楽を持ってきてくれたように憶えている。ケージに始まり、フェルドマンもあったかなぁ、あとグレン・ブランカとか(お互いに金がなかったので、CDやテープの貸し借りができるというのは良いことだった)。私の働いていたコンビニでは夜中に上記のような音楽が流れていたわけだが、そんな店はほとんどなかったでしょうね。
しかし、我々は未だに一緒に音を出していなかった。それが始まるのにはもう数年を要したである。(続く)

そういえば明日、宇波君と佳村さんとキャプテンのライブが池ノ上の現代ハイツであります。これは面白そうだ。
http://www.gendaiheights.fc2.com/cafive.html