日本

NY、かなりけちりましたが、実は物価は(円高も手伝って)かなり安かった。ビールが1ドル、カップ麺も1ドル、弁当が5ドルくらい。が、流石にちゃんとした食事を食べる余裕はなかった。時差ぼけもひどく、ほとんどホテルとライブ会場の往復しかしていない。いつでも寝れるようにとだいたいホテルで本を読んでいたが、これがまったく寝れない。着いた日にライブを観にいこうと思って、ロウアーイーストサイドのストーンに行こうとしたが、そしてその目の前にいたのにもかかわらず、会場がみつけられずホテルに帰還。これがただ一度のマンハッタン訪問だった。しかしなんだか下北沢みたいだったな〜。バーは、初日のライブ後にいったところはうるさ過ぎて、とても耐えられず、二日目に行ったところは静かだったけど、いずれにせよ、おしゃれなところしかなさそうなので、もし住む事になったら困るだろうな。やはり、日本が良い。食い物の違いも大きいが、となりのおっさんが競馬新聞読んでいるような、そういう雰囲気が落ち着く。そういえば、帰ってすぐに立ち飲み屋の『富士屋』で飲んでいたら、となりに伊福部昭とマルセルデュシャンをたして2で割ったような初老の紳士がやってきて、無言でカウンターに500円玉を置くと、一合徳利とイタワサ(とおつり20円)が出てくるという光景を目撃した。店員とは一言も会話を交わさず、10分ほどの滞在で帰って行った。もちろん、私にはこんなスマートな飲みはできません。しかし、こういう人が訪れるようなところが好きなんだよね。最低でも月に一回くらいは、できたら独りで、この手の店にいくことができないとなると、ひょっとしたら少し頭が変になるかもしれない。常連の集うところも楽しいが、他人が偶然に隣り合う環境というのもとても大切である。ちょっとしたきっかけで話し込むこともあるが、それはそれ、一期一会を楽しむのも悪くない。日本は良いなぁ。
さて、しつこく宣伝しておこう。誰も来ない、というのが多いにありうるので、念はおしておいたほうがよい。といっても特に言う事はないなぁ。即興です、というくらいか。Lucio Capeceがどんな音楽家なのか、ということも、私が言わなくてもみんな勝手に調べればいいわけだし。面白くなりますよ〜、とも言えない。それはわからないし、そもそも面白いかどうかということに、もうあまり関心がない(これはおおいに誤解を生む余地のある発言であるが)。音楽で何か自分を表現したいわけでもなく、何かを言いたい訳でもない。でもそれは結局表現になってしまう、ということには目をつぶる訳にはいかない。これが音楽を続ける動機のひとつではある。「あー、そうなりますか」、ということを見極めたいというかなんと言うか。

9月29日(木)
杉本拓 佳村萠 Lucio Capece
19;30 開場
20;00 開演
1500円 + ドリンク
大崎 l-e http://www.l-e-osaki.org/