生活のための仕事が忙しかったり、作曲してたり、風邪ひいたりで、あまり本が読めてない。最後まで読んだのは以下の二冊。
"NEW MUSICAL RESOURCE" Henry Cowell CAMBRIDGE
第二章は、様々な頭の形を持った音符を使って、5:7とかの連符や複雑なポリリズムを記譜をする試み。こういう音楽自体はもう目新しい物ではないかもしれないが、カウエルの発案した記譜システムはかなり面白い。教科書というより、SFを読んでるみたいだ。しかし、私はあまり詳しくないが、カウエルはこういう音楽を作ってたっけ?
第三章はクラスターの話。セロニアス・モンクのことを思い出した。彼はこの本を読んでないだろうけど。
すべての試みが、倍音列を応用することで、成立している。全体を通して感じたのは、これは、哲学や科学におけるモダニズム運動と芸術におけるそれとのリンクの一例なのではないか、ということ。
また、音律とか倍音とかに興味があって、なおかつ何か違うアイデアを探している人には、倍音列を巡るありきたりな話があまり出てこないぶん、かえって刺激的かもしれない。私がそうでした。
『言語学とは何か』田中克彦 岩波新書
風邪をひいていた時に、寝ながら読むために、何でも良いからと適当に古本屋から購入。著者に関しては、確かチョムスキーの本を書いてたな、くらいの知識しかなかった。言語学の本を読むのも初めてである。けれども、読み進めるうちに、多分これは最初に読むべき本ではないな、と直感した。少なくともまじめに言語学を勉強しようと思った時に、最初に手に取るべき一冊ではないような気がする。田中克彦氏はどうも曲者っぽい。そういう感じが本全体から漂っている(あと、“はじめに”と“おわりに”が本文と少し文体が違う気がするのだけど)。言語学については、私は語るべき何事も持たないが、たまに登場する氏の挿話が面白い。例えば、著者が学会で知り合った仁井田さんという中国法制史の学者と親しく知り合った時の話:
夫人の話によると、この人は、大切なメモや講義の下書きは、たいていは手近にある広告のちらしの裏に書いていたということである。こうした話を聞くにおよんで、すぐれた思想は、まっ白なページの大学ノートや、もったいぶったカードよりは、ちらしの裏側の方がふさわしいのだと思うようになったのである。(18〜19ページ)
私もちょっとした思いつきやひらめきをちらしの裏に書く事が多い。あるいは、外にいて手近にちらしがない時は、レシートや伝票の裏に書く。こういうのはなくしやすいという欠点があるが、一度何かに書くということで、それを憶えるのである。だいたい、曲を作るにしろ、文章を書くにしろ、いざその時になると、ノートなんてたいして見ないものである。学者ではないので、下書きもしない。落書きみたいなものが書かれた紙片が部屋のあちこちにおいてあったり、ピンで留めてあったりするだけで、何故か安心はするのだが。
以下告知です。
杉本拓、ホンタテドリ(宇波拓、、佳村萠、秋山徹次)、小野須貝橋本トリオ
2013年4月6日(土)
ギャラリーチフリグリ (宮城県仙台市宮城野区五輪1-11-12)?http://chifuriguri.sakura.ne.jp/gallerychifuriguri/chifuriguri.html
出演
杉本拓?
ホンタテドリ
秋山徹次
宇波拓?
佳村萠 ? ?
? ????
小野須貝橋本トリオ
小野健宏 (ギター)
須貝吏 ? ?(アルトサックス)
? 橋本亮 ? ?(エレクトロニクス)
開場 17時30分
開演 18時00分
料金 1500円
問い合わせ melodynote@hotmail.co.jp (須貝)