身につけるもの

ついに老眼鏡を買った。100円ショップの安物であるが。老眼は何年も前から着々と進行していたが、本を読む時も離して読めばいいわけで、それほど深刻に考えていなかった。問題を感じていたのは譜面を書くとかの細かい作業をする時である。これがいよいよ限界に来た。で購入に踏み切ったと。100円なんだから(いずれはまとものものが欲しいが)、別に意を決するようなことはなかったんだが、単に面倒くさくて買うのを忘れていただけである。
しかし老眼鏡とはいえ身につけるものを買ったのは久しぶりである。これの前に買った物は、これまた同じ100円ショップでパンツと靴下を三つづつ。ヨーロッパ・ツアーに行く前だから去年の6月か。その前はもう思い出せない。最近よく着ている冬用ジャケットかなぁ。だとすると一昨年の9月くらいか。これは古着屋で700円だった。どうでもよい話です。
とにかく私は服とか靴とかカバンとかそういうものにほとんどお金をかけない主義である。本音を言うと多少はかけたいが、経済的な理由でそこまでは手(お金)が廻らないというのが実情である。CDや本ですらおいそれとは買えず、ライブや映画にはほとんどいけない、そんな生活でまず切り詰めるべきものは服にかける費用である。食費を切り詰めるのは意外と難しい。若い頃は食費を節約して文化費にあてていたが、今では逆になっている。特別旨いものが食べたいわけではないが、好きなものは食べていたい(私の”うまいもの基準値”はかなり低いと思う)。空腹はいやだ。まず食欲を満たさないことには何も始まらない。本能というのはどうしようもない。しかし、食欲、性欲、睡眠欲などの生存に結びついている欲望をうまくコントロール出来なければ現代社会を渡り歩くのは困難だ。私の友人で、女性に会う可能性があるときはまずオナニーをしてから出かける、そうすることでやっと欲望がコントロールできる、そういう人がいる。泣ける話だなぁ。しかし、これは他人事ではない。
とにかく、服は後回しだ。何も着ないわけにはいかないが、なんとかなるもんである。人からもらったり、拾ったり(”ご自由にお持ちください”みたいのもあるし)出来るし、どうしても買わなければならない時は古着屋とかウイークリー・ショップとかで安く買うことも出来る。私にも服の好みはあるが、それらは安物の中からでも十分見つけ出すことが出来る。人によっては、着る服は重要で、それなりにお金をかけなければならないかもしれないが、幸い私はそのような身分にいない。
問題は靴だ。私は生涯で3回くらしか自分のお金で靴を買ったことがない。もちろん経済的な問題が一番であるがそれだけではない。私は身長の割には足がでかい。子供の頃から大きな靴を履いていた。長さはないが、幅と厚みがあるのである。ちょうどいいサイズの靴がないのである。大概の靴はきつくて、足に痛みがなく履ける靴はだいたい前と後ろに各1センチ以上隙間が出来る。これが原因で靴ずれになることもある。ビニール製とかはだいたい2週間くらいで横が破裂する。運動靴は、どうも体質に合わないみたいで、足がかゆくてしょうがない。革靴がいいのだが、ちょうどよいサイズがない。こういう次第なのでお金を払って靴を買う気がしないのである。何も履かないわけにはいかないから、何もないときはサンダルを履いているか、大概は友人にもらったものをきついの我慢しながら履いている。しばらく履いていると、素材が伸びるのかあまり痛みを感じなくなってくるが、その頃にはもう底が磨り減っているか、横が破裂している。寿命は長くて3ヶ月である。基本的に靴はひとつしか持たない。それしか履かないわけだからそんなもんでしょう。しかし、今履いている靴は長持ちしてるなぁ。一年か一年半くらい履いているんじゃなかろうか。気のせいかなぁ。これは(リサイクル・ショップで)買ったんだけど、いつだったか思い出せない。最初は普通に履くと痛くてかかとをつぶして履いていたのを憶えている。なのでかかとは破損が酷い。というか全体的にもうかなりボロボロだが・・・。でもそろそろ新しいものを手に入れなければ。