雑感

吉田健一訳の『ラフォルグ抄』を古本屋で買った。ジュール・ラフォルグは月とピエロの詩人と言われているが、そればかりではなく、SFのようなコスミックな爆発感があって、私は大好きなのであるが、『ラフォルグ抄』に収められているモノは少し様子が違う。この本は以前も持っていたのだが、あまりにも内容が暗く、読んでいて気がめいってきて、そのまま読まなくなり、最後は古本屋行きとなった(いつものことだが)。特に「ハムレット」。これが凄い!これほど陰惨な気分にさせる小説は稀であろう。こういうものは他に例を見ない。それほどに独自な境地が開かれている。インパクトは大であった。案の定、本を手放してからしばらくして、私はこの「ハムレット」を再読したくなったのであるが、なかなか本にめぐり合う機会がなかったのである。ところが、再購入後、私はまだ「ハムレット」に手を出していない。これはもうすこし寒くなってから、完全に冬になってから読んだ方がその負の効果が増すはずである。私は最高の状況を用意して、この陰惨極まりない小説に挑みたいと思う。

明日は『水曜のハイツ』やります。その後しばらくは休みはないんじゃないかな。