ジャン・ジュネ

私は別にジャン・ジュネのことを好きでも嫌いでもない。と言うかよく知らない。風貌は好きだが。20年以上前のことであるが、『泥棒日記』を読んで、10〜20ページくらい読んで、どうも気分がのらず、そのまま読書を放棄した思い出がある。単純に苦手だった。同じ頃、たしか間章の本だったか、ジュネが「もし来世というものがあるなら、私はどこかの惑星の粘菌か単細胞生物みたいなものに生まれ変わりたい」(確かそんな意味のことだったと思う)と言った、という事が書かれていたのを読んだ。もとの文を読んでいないから、それだけで判断すべきではないのだけれど、この言葉が私からジュネを遠ざけた。随分と現世主義的な考え方だな、と思ったわけである。単細胞生物的なものの存在に永遠の生と安らぎを求めたのか?完全な無意識の世界への憧れなのか?しかし、そんなものは人間の生になかにも含まれているはずである。私はそう思う。それが分からないだけである。粘菌になっても、自分が粘菌であることは分からないであろうから。もしその惑星での生が終わり、また人間になってしまって、その時また同じことを言わないとも限らない。それはあまりにも救いのない話である。そんな旋回を続けたいと言いたいのだろうか。そこまで絶望一直線なのか?だとしたら、本当にそれを望むなら、ジュネは本物だと思う(私は嫌だが)。そうでないなら、たんなる衒いでしかない。私には、こういうことを言う、ということが現世への執着に思えてならない。それはそれでいいけど、この言い草は口がすべった感があるんじゃないかな。どうも納得できないものが残る。
何故か昔疑問に思ったことが突然に頭に浮かんで、それについて何か言いたくなった。この世界には色んなものがあるけど、全てには関われない、どこかで、何かのきっかけで選択がおこなわれている、そういう話でもある。


私の現世での仕事(笑)↓



3月4日(木)

「→」

open 19:30 start 20:00
¥500+ワンドリンク代
場所:江古田フライングティーポッド
http://www.geocities.jp/flyingteapot1997/index.html

杉本拓(http://www.japanimprov.com/tsugimoto/tsugimotoj/index.html

黒澤勇人(http://bucanh.exblog.jp/

*次の日、3月5日江古田フライングティーポッドである
石川高さん、加藤裕士さんのイベントとの通し券あります。
両日のドリンク代含めて2000円となります。