告知

3/10(月)
「即興ライブ」
19:00開場 20:00開演
1500円+d
杉本拓 guitar
木下和重 violin
古池寿浩 trombone
大崎l-e
http://www.l-e-osaki.org/?p=2635


3/18 (火)
杉本拓 gt.
高岡大祐 tuba
徳永将豪 a.sax
solo/duo/trio improvisation
open 19:30 / start 20:00
800yen + drink order + 投げ銭
下北沢 bar apollo
http://ameblo.jp/430416apollo/



この後の予定は今のところありません(何とかしないと)。
ただコンサートの告知だけをするのもつまらないので、何か書きます。
私はこれまで「漫画」のことをあまり書いてないですが、それは漫画をあまり読まないからです。子供の頃は、そりゃあ読みましたよ。70年代ーーそれは私達世代の子供時代にあたるわけですがーーは漫画とテレビの黄金時代だった言って良いでしょう。他に娯楽もないので、漫画読むか、テレビ観るか、プラモデル作るくらいしか子供に出来ることはなかった。人が集まれば、野球(みたいなもの)やドロケー(ってわかるかな?)、それにゴルフの真似事みたいのもしましたが。ゲームは、人生ゲーム、モノポリー軍人将棋、それにドンジャラドンジャラ、今やったら面白いだろうなあ、ちょっとお金かけて。自分でボード作って、ゲームを作ったりもしてました。ーーまあ、そんな時代でした。
それで、最初は、子供時代に読んだ漫画について書こう思ったのですが、あの時代の漫画は(今と比べて)数も少なく、私が読んでいるものは同時代のみなさんが大体読んでいるのものなので、それについて書いてもあまり面白いものは書けないと思って、やめました。
それで、もう少し後の、80年代の漫画から「青春もの」をセレクトして、それについて書きます。
題して、「我が青春漫画ベスト10」。とは言うものの、10もあるかなあ。逆にそれ以上あるかもしれない。これから思い出して書くからわからないのです。しかも、それらの名作を私は一冊も所有してないので、すべては記憶を頼りに書くことになります。間違いや勘違いもあるでしょうが、許してください。
これから取り上げる漫画は主に、80年代の中頃に私がバイトしていたコンビニで読んだものがほとんど。私は夜勤をしていたので、普段は読まない漫画を暇つぶしに読んでいたのです。漫画以外でも、週刊誌から女性誌まで何でも読みましたね。『マリクレール』という、あれは女性誌になるのかな、そういう雑誌があって、これが内容充実でとても読み応えがあった。JJケールのロング・インタビューが載ってたりとかしたし、現代音楽家現代美術家のインタビューもよく載った。グルジア旅行記とかもありましたね。今の雑誌では考えられないクオリティでした。
話を戻して、まずは吉田秋生の『皮よりも長くゆるやかに』。この漫画はコンビニ以前に読んだもの。ちょうど私が高校3年の時か、あるいはそのすぐ後に出たのかな。リアルタイムで読みました。漫画の内容も、高校生活のあれこれや。しかも主人公たちが同い年なんで、なんか共感するものがありました。それにしても、漫画の高校生は私達に比べてずいぶんと大人でしたね。バーで働いたり、セックスしたり、大麻吸ったりしているわけですから。しかし、そういうことを差し引いても、精神的に大人でしっかりしている。もうしっかりと大人としての人生が始まっていて、それに対する憧れーーと言うのか何というのかーーを持ちました。それでも、あの年頃が感じる「不安と希望が混ざり合った何か」が、今にして思えば、実にうまく表現されていた。これに共鳴したんだと思いますね。後になって、作者が女性であることを知って大変に驚いたものです。
次は、楠みちはるの『シャコタンブギ』。これはコンビニで働いてなければぜったいに読まなかった類の漫画でしょう。車とナンパとケンカというヤンキー高校生の日常は私が経験したそれとは全く違いますから。恐らく、読むものがなくなって、しょうがないから手に取ったんだと思います。ところが、ページをめくって数分、「これは面白い!」となりました。先輩こと「ハジメ」とその後輩「コージ」はナンパばっかりしているんですが、これがなかなか成功しない。ハジメは、顔に似合わず、それなりにもてるんだけど、つい「男気」が出てしまって、最後は相手の女性から身を引くことになる。この「男気」が実にペーソスを含んでいていいんですよ。ちょっとほろっとします。サブキャラも大変に魅力的で、特にスケコマシの「コマちゃん」は最高です。この漫画の良いところはカタルシスがないところかなあ。常に淡々としている。誰も正義とか悪とか愛とか友情とか、そういうものをたれないし、というよりむしろ、誰もが体がまず反応して、それが行動につながる。ハジメの「男気」も考えてやっているわけではなくて、いつもそうなっちゃうという。これが小気味良いわけです。それで、後には何も残さず、パッと終わるみたいな。『男はつらいよ』に似ているところはありますが、もっとドライなんですよ。映画化するなら、ロベール・ブレッソンみたいな人にやってもらいたいですね。
次は安達哲の『キラキラ』。主人公たちは芸能コースがある高校に通うという設定で、その青春群像を描く、ということになるのでしょうか。これもコンビニで読みました。80年代の終わり頃の作品で、その頃には私もいいかげん大人になっていましたが、しかし、これにはやられましたね(この漫画の状況設定はますます私の世界とはかけ離れているのですが)。ヒロイン(エミリさんでしたっけ)の扱い方はもう大変に文学的です。後年、ドストエフスキーの『白痴』を読んだ時に、まっさきに思い出したのはこの作品(とそのヒロイン)でした。私が好きなところは、ストーリーがどうのこうのではなくて、ある種の「切なさ」が全編を通して感じられるところです。身も蓋もないことを言うと、ただそのことだけがこの漫画の肝だと思います。何年か前にこの漫画をゴミ捨て場で拾って再読したのですが、印象はまったく同じでした。ヒロインのあり方は、ドストエフスキーのナスターシャであり、ダンテのベアトリーチェであり、あるいは『ルパン三世』の峰不二子である、と言った具合に、古典的な「ヒロイン」なのです。こういう女性に胸をときめかさない男性はいないのではないでしょうか。ーーなんてことを書くと、「お前は男尊女卑だ」と言われるかもしれませんが…
眠くなってきました。続きはまた後日。